人気ブログランキング | 話題のタグを見る

音楽の聴き方

毎日音楽に頭の先まで浸かっていた若い頃、音楽はアルバム単位で聴くものでした。
レコードをターンテーブルに載せ、20数分後にターンオーバーしてB面を聴く、それが儀式のようなものでした。
カセットテープに録音する際もなるべく46分テープにアルバム単位で録音して聴いていました。
(ちなみに録音の際はA面とB面の長さを測り、長い方から先に録音して、余ったテープを切り取って、極力空白の時間を減らすようにしていました)
当然アーティストもA面とB面を意識して曲順を決めていましたので、ハードロックバンドのアルバムでも、A面の最後はバラードを持ってきたりしていて。
レコードもカセットテープも簡単に曲を飛ばす事ができないので、必然的にアルバムをトータルで聴き評価していました。

その後CDの時代になってターンオーバーが必要なくなり、収録時間・曲数も大幅に増え60分以上のアルバムも珍しく無くなりました。
まぁ、カラオケを付けたり別テイクを付けたりして、安易に水増しする事も多いのですが…
それでも集中して60分間音楽を聴くのは、やはり体力が必要ですし、簡単に曲を飛ばす事ができるので、だんだん"バラ"で聴く事が増えてきたように思います。

そして、時代は変わって今…
DL販売が当り前、好きな曲だけのプレイリストを作ってiPodで持ち歩く、それが音楽を“聞く”デフォルトのスタイルになりました。
私もiPodを愛用していますし、DLで購入する事も珍しくないです。
それを否定する気もありません、それも今の時代の音楽の楽しみ方なんだとは思いますし、創る方もそれを意識した創作活動をしているのでしょう。
が…もしまだアーティスト達がアルバムトータルとして想いを込め制作しているのであれば…できるだけアルバム単位で音楽を“聴いて”いきたいと思います。
メインディッシュだけでは本当の美味しさは解らないものですし。
聴く方も真っ正面から向かい合わなければなりませんので、体力が必要ですけどね。
商業主義に乗っ取られたレコード会社は盛んに音楽を切り売りしますが、切り売りは「売りやすいけれど捨てられやすい」のも真実・・・おそらく。

先だって書いたジャズ喫茶のお話ではないですが、一所懸命音楽を聴くには体力も必要ですけど、一番必要なのは聴く時間と、それを楽しむ心の余裕なのかもしれません。
そう考えると、今の時代、昔のような聴き方を(そして売り方を)するのは大変な事なのかも…これを書きながら、そんな事を思っちゃいました。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 オヤジ日記ブログ 40代オヤジへ
にほんブログ村
by aki3man | 2012-01-19 23:24 | 音楽
←menuへ