ライブの撮影

普段は仕事で婚礼の写真を撮る事が多い私ですが、ここ数年…と言うか、「はぐねっと」に入ってからと言うもの、ライブの写真を撮る機会が多くなりました。
婚礼もライブもステージ自体が上手に演出されていますし、どちらもそのドラマティックな時間と空気を写し込む、比較的(私にとっては)似た撮影です。

婚礼はほとんどの場合、初対面の方を撮影するので、その方のパーソナリティなり好みなりを理解する時間は限られているのですが、ライブの場合は先に音楽を聴いて予習する事が可能な分、とても楽に入り込めます。

よく、「写真撮ってたら、ゆっくりライブ聴けないね」と言われます。
ある意味正解なのですが、逆に非常に集中して聴く事も可能です。
視覚から入る情報量と言うのは、聴覚に比べて非常に多いですから、「見る」事で聴こえる音があります。
ファインダーの中に見える楽器からは、おそらく普通に見ている方よりもずっとハッキリとした音が聴こえてくるんです。

例えばバンドの中のギターを撮っていると、ギターの音だけが増幅して聴こえてきて、他の楽器がミュートされます。
極端に言うと、ギターの1弦にピントを合わせていると、6弦の音より明らかに1弦の音が耳に残ります。
もちろんワイドレンズで全体を撮っていると、ちょうど良いバランスで全てが聴こえます。
撮影していて、これはとても面白い感覚です。

もっと面白い…と言うか不思議なのは、聴こえるはずのない音まで聴こえる(?)事。
先日のトミーのライブでは、トミーが“歌いながら”弾いているのが分かって驚きました。
もちろんマイクはその声を拾っていないし、おそらく会場中で気付いた人は他にいないはず…
たまたま顔のアップを撮っていたら口が動いていて、それを見つめていたら不思議と声が聴こえてきました。
音が見えた…と言うべきなのかもしれません…レンズを通して。
そうそう、岸部さんのライブで左手の手元のアップを撮っていたら、指が指板を叩く音が見えました。

信じられないかもしれませんが、レンズの中に集中していると、目は耳の機能まで持ってしまうかのようです。
とても高い集中力を要求されますから、ライブの間中ずっととはいきませんが、慣れてくるとタイミングを計って集中できるようになります。
(これは婚礼の撮影で鍛えられたのかもしれません。
婚礼の2〜3時間、どうやってリラックスする時間を作るか…は、非常に大切な事ですから)
それでも撮影を終えると結構疲れるのですが、ライブ自体の質が良ければ、そして自分も楽しみながら撮影できれば、それは非常に心地良い疲れになります。
そんな時は写真の出来も良いですしね(^^)

写真は音楽を奏でません。
写真はその場の暑さも匂いも残しません。
でも、観てくれた方がもしそれらを感じる事ができたら…それはカメラマンの想いが写真にすり込まれている証拠です。
そんな写真を撮りたい…
被写体がプロであろうとアマチュアであろうと、ポップスだろうとジャズだろうと、大人だろうと子どもだろうと、白人だろうと黒人だろうと…そう、トミーがそうであるように…ね。
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by aki3man | 2007-08-03 23:27 | 写真
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