「多田武彦 作品集」

ほとんどの方が興味のないお話しでしょうが…よろしければちょっとお付き合い下さいませ。
先日来続いている『雪あかりの路』の話
頭の中ではその「雪明りの路」のメロディが流れているのですが、途中から先を失念…
自分達で歌った録音を探してみたのですが、それも見つからず。
仕方ないのでAmazonで探してみました。
すると、ありました、とっても良い内容のCD.
『多田武彦 作品集(日本合唱曲全集)』
「雨」「柳川風物詩」「中 勘助の詩から」「草野心平の詩から」「雪明りの路」
あまりポピュラーとは言えない、合唱、それも男声合唱曲集です。
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多田武彦は清水脩と共に、その男声合唱の日本に置けるパイオニアのような人で、男声合唱をやった事がある人なら、この曲集の中の曲を歌った事がない人はいないはず。
もう30年近くも前ですが、私もこのCDにある曲のほとんどを歌いました。
残念ながら(当然?)今はほとんど覚えていませんし、覚えていても声が出ません。
合唱曲集など、興味がない人には退屈なだけの音楽かもしれませんが、私には希望に満ちていた(ほんと?)あの頃を思い出させてくれる、大切な音楽です。
そしてこれらの楽曲は、楽典と一緒に皆で歌う事のの楽しさ、素晴らしさを教えてくれました。
もう歌う事はないと思いますが、機会があればどこかの演奏会を聴きに行ってみたいものです。

このCDから、大好きな詩、三編をご紹介。
最後の『金魚』の世界観には圧倒されました。
 ふんわりと雪の積もった山かげから
 冬空がきれいに晴れ渡っている

 うっすら寒く日が暖かい
 日向ぼっこするまつ毛の先に
 ぽっと春の日の夢が咲く

 しみじみと日の暖かさは身にしむけれど
 ま白い雪の山超えて
 春の来るのはまだ遠い

 (伊藤整『雪明りの路』より「春を待つ」)

 雨のおとがきこえる
 雨がふってきたのだ
 
 あのおとのように そっと世のために
 はたらいていよう
 
 雨があがるように しずかに死んでゆこう

 (八木重吉『雨』)

 あおみどろのなかで
 大琉金はしずかにゆらめく
 とおい地平の支那火事のように
 支那火事が消えるように
 深いあおみどろのなかに沈んでゆく

 合歓木の花がおちる 水のもに
 そのお白粉刷毛に金魚は浮き上がり
 口をつける

 かすかに動く花
 金魚は沈む
 輪郭もなく 夢のように
 あおみどろのなかの朱いぼかし
 金と朱のぼんぼり

 (草野心平『金魚』)

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by aki3man | 2009-02-12 23:47 | 音楽
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